本が読めるなんてすばらしい!
最近、本当に最近になって、本が読めるようになってきた。
いや、本とか普通に読めるでしょ?って思うかもしれないけど
病気は本すら読めなくしてくれる。
一冊の本を集中して内容を理解する体力と気力を奪い去ってくれる。
知らない言葉で書かれた本なんじゃないかと思うくらい内容が理解できないし読み進められないのだ。
学生の身としては、本を読めないのは致命的で、大変苦しめられた。
レポートを書くにも研究発表の資料を作るにも参考文献を読み込まなきゃいけないのに本が読めない。
必死でなんとか一冊読み込んでも、他の人の2倍も3倍も時間がかかってる。
昔から本が大好きで、いついかなるときも本を抱え込んで歩いているような子だったのに。
旅行に行く時に一番時間をかけて選ぶのはお供の本だった。
ばかみたいに分厚い本をスーツケースに紛れ込ませたせいで怒られたこともある。
そんなわけで、本が読めないショックは大きかった。
文字も少ないし絵で内容がなんとなくわかる漫画とか絵本が私の読める限界の本だった。
というか、病気のきつい時は、テレビを見るのさえしんどかったので
本なんか読めるわけがなかった。
しんどかったなぁ。
読みたくて苦しいし、思うように読めなくて苦しいし。
なまけてるって思われてるんだろうなぁと思ってしまって、勝手に追い詰められて。
調子がいい時に、ほんの数ページ本が読めるだけで嬉しかった。
病気になる前はそんなの当たり前のことだったのに。
だから、本が読めるようになってきて、楽しくて仕方ない。
大学の図書館にあふれる面白そうな本にやっとありつけるから。
本の背表紙を見て面白そうだなぁってわくわくする気持ちがやっと帰ってきた。
なんて、ありがたいことだろう。
たったこれだけのことなのに。
本が読めるだけで世界が素敵だ。
だって、知らないことがたくさんあることを知ることができる。
すこしだけ遠くの世界に入り込める。
また、本が読めるようになってよかった。